坂を知れば、長崎はもっと面白い。地元ドライバーのコラム
長崎を訪れた多くの方が、まず驚くのが「坂の多さ」です。家々が斜面にびっしりと張りつき、細い石段がいたるところに伸びている。車では入れない路地も少なくありません。
なぜ長崎は、これほどまでに坂の街になったのでしょうか。25年この街を走ってきたドライバーの目線で、その理由をひもといてみます。
答えは、長崎の地形にあります。長崎の市街地は、三方を山に囲まれ、細長い湾(長崎港)に向かってすり鉢状に開けています。平らな土地が極端に少ないのです。
そこへ、江戸時代の出島貿易で人口が一気に集中しました。限られた平地には住みきれず、人々は山の斜面を切り開いて家を建てていった。こうして、坂と石段だらけの独特の街並みができあがったのです。今も長崎市の市街地の多くは、傾斜地に広がっています。
坂の街は、暮らす人にとっては大変です。けれど、その地形が長崎にしかない美しさを生んでいます。
その代表が夜景です。斜面にびっしりと積み重なった家々の灯りが、すり鉢状の地形に沿って立体的に輝く。これが、長崎の夜景が「世界新三大夜景」に数えられる理由のひとつです。平らな街では、こうはなりません。
細い石段、猫が行き交う路地、見上げれば空に届きそうな階段――長崎の坂道は、歩くだけで物語を感じさせてくれます。
坂の街・長崎、ラクに巡るならお電話を
090-2507-9761 受付 11:00〜21:00(年中無休)長崎には、坂の街ならではの工夫があちこちにあります。坂の上の住宅地まで人を運ぶ斜行エレベーターや、車が入れない地区のための階段の道。引っ越しのとき、荷物を運ぶのもひと苦労――そんな暮らしの工夫が、この街にはたくさん息づいています。
さて、旅行者にとって悩ましいのが、名所の多くが坂の上にあることです。グラバー園、大浦天主堂、鍋冠山の展望台……いずれも、坂や石段を上った先にあります。
地元の人間は、坂を「上らずに済む方法」を知っています。グラバー園なら上の入口まで車で行って下りながら歩く、稲佐山なら車で山頂近くまで上がる。この“ひと工夫”だけで、坂の街の観光はぐっと楽になります。坂を眺めて楽しむのは良いけれど、わざわざ全部を歩いて上る必要はないのです。
お客様によく言うのは、「長崎の坂は、見るもので、上るものではありませんよ」ということです。坂の風景は車窓からでも十分に美しい。上り下りで体力を使い果たすより、車で要所まで運んで、いちばん良い景色のところだけ歩いていただく。25年やっていると、「ここで降りて、ここまで歩けば一番きれい」という勘所が体に入っているんです。坂を味方につけると、長崎はもっと好きになりますよ。
坂を避けながら名所を巡る回り方は、コースにも組み込んでいます。お気軽にご相談ください。
名所の多くは坂の上。地元ドライバーが、坂を避ける回り方でご案内します。